ファミコン世代のみなさん、こんにちは。
突然ですが、このリズムを脳内で再生してみてください。
「テッテッテー、テッテッ、テー」
……もう、あのドット絵のマリオがジャンプする姿が浮かびましたよね?
今回は、1985年に発売され、ゲーム音楽の歴史を変えた『スーパーマリオブラザーズ』の「地上BGM」をご紹介します。
実はこの曲、ただの「楽しい曲」ではありません。
2023年には米国議会図書館の「国家保存重要録音登録簿」にゲーム音楽として史上初めて登録されるなど、ビートルズやマドンナと並ぶ「歴史的遺産」として認められているんです。
なぜこの曲は、40年近く経っても私たちの心を掴んで離さないのか?
その秘密は、意外な「音楽ジャンル」と、天才・近藤浩治氏の仕掛けにありました。
『スーパーマリオブラザーズ』地上BGMを聴いてみよう
| 基本データ | 内容 |
|---|---|
| 基本データ | 内容 |
| ゲームタイトル | スーパーマリオブラザーズ |
| 発売年 | 1985年 |
| 機種 | ファミコン (FC) |
| 作曲者 | 近藤浩治 |
| 曲名 | 地上BGM (Main Theme) |
まずは、説明不要の名曲をこちらでお聴きください。
誰もが通った道!「ハリーアップ」のトラウマと高揚感
この曲は、ゲームスタートと同時に流れる、まさに「冒険の始まり」を象徴する曲です。青空とブロック、そしてクリボー。聴くだけでワクワクしますよね。
しかし、プレイヤーにとっては「焦り」の象徴でもありました。
残りタイムが100を切った瞬間の「警告音」からのテンポアップ。あれが鳴ると、急に心臓がバクバクして操作が雑になりませんか?
「急げ!」と思えば思うほど、目の前の穴に落ちたり、クリボーに突っ込んだり……。
ネット上の反応を見ても、「あのテンポアップはトラウマ」「わかっているのにパニックになる」という声は世界共通のようです。
この「BGMがゲームプレイの心理状況を直接コントロールしてくる」という体験こそが、マリオが偉大である理由の一つかもしれません。
なぜ神曲なのか?実は「ラテン音楽」だった!
ここでは少し、音楽的な凄さを深掘りしてみます。「マリオの曲のジャンルは?」と聞かれて、即答できる人は少ないかもしれません。
実はこの曲、音楽的には「ラテン音楽(カリプソ)」のリズムがベースになっているんです。
- カリプソのリズム
よく聴くと、リズムが「タタタ、タタタ」と跳ねるような3連符(シンコペーション)になっています。これが、プレイヤーに「走り出したい!」「ウキウキする!」という身体的な衝動を与えているのです。 - ファミコン音源の職人芸
当時のファミコンが出せる音は、実質3〜4音だけ。作曲者の近藤浩治氏は、限られた「ノイズ音」を巧みに調整してドラムのハイハットのように聴かせ、あの軽快なビートを生み出しました。 - 効果音(SE)とのセッション
コインを取る「チャリン」、ジャンプする「プゥ~ン」という音。これらがBGMのリズムと噛み合うように設計されているため、上手い人のプレイはまるで楽器のセッションのように聴こえます。
近藤氏はインタビューで、「最初はのほほんとした曲を作ったが、走るマリオを見てボツにし、今の曲に作り直した」と語っています。もし最初の曲のままだったら、マリオはここまでヒットしていなかったかもしれませんね。
私と『スーパーマリオ』の思い出
ここからは、少し個人的な話をさせてください。
私は1980年生まれ、ファミコンど真ん中の世代です。
今でも鮮明に覚えているのは、幼稚園の頃。親戚のおばちゃんが、発売されたばかりの『ファミコン本体』と、この『スーパーマリオブラザーズ』を買ってくれた日のことです。
当時の私は一人っ子。兄弟でコントローラーを取り合う喧騒はありませんでしたが、その分、テレビ画面の向こう側の世界にどっぷりと没頭していました。
先ほど「この曲はラテン音楽だ」と書きましたが、もちろん5歳の私がそんな理屈を知る由もありません。
でも、不思議なことにコントローラーを握ると、体が勝手にリズムを刻んでいた記憶があるのです。
椅子の上で体を揺らしながら、マリオと一緒にジャンプする。
失敗してBGMが止まると、自分の動きも止まる。
今にして思えば、近藤浩治さんが仕掛けた「ラテンのリズム」の魔法に、幼稚園児の私はまんまと掛かっていたわけですね。
まだ手も小さく、Bダッシュもままならない私にとって、この曲は単なるBGMではなく、「マリオと一緒に走らせてくれるエンジン」のような存在でした。
今、現代で『スーパーマリオ』を聴く・遊ぶ方法
懐かしくなった方のために、現在この名曲を楽しむ方法をまとめました。
🎮 今すぐ遊ぶなら
- Nintendo Switch Online
加入者であれば、ファミコン版『スーパーマリオブラザーズ』がすぐに遊べます。いつでもセーブ機能があるので、昔クリアできなかった方もリベンジのチャンスです! - ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ
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🎵 サウンドトラック
「マリオの曲をじっくり聴きたい」という方には、30周年記念盤などのサントラがおすすめです。近藤浩治氏の楽曲の進化を辿ることができます。
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まとめ
今回は、世界で一番有名なゲーム音楽、スーパーマリオの『地上BGM』を紹介しました。
- ラテン(カリプソ)のリズムが、私たちの体を動かしていた
- 「ハリーアップ」の音は、世界共通の焦り体験
- 近藤浩治氏のこだわりが、ファミコンの限界を超えた
幼稚園児だった私に「ゲームの楽しさ」を教えてくれたこの曲。
大人になった今聴き直してみると、その計算され尽くした「音の職人芸」に改めて感動します。
この記事を読んで、もし当時の記憶がふと蘇ったなら、ぜひ久しぶりに『スーパーマリオブラザーズ』を遊んでみてください。
Nintendo Switch Onlineやサントラで、あの頃の「ワクワク」はいつでも私たちを待っています。
これからも懐かしの名曲を独自の視点で深掘りしていきますので、次回の記事も楽しみにしていただければ幸いです。
