ファミコン世代のみなさん、こんにちは。
1985年、当時幼稚園児だった私は、あるゲームカセットを見て目を輝かせていました。
カセットの左上で、赤く光る小さなランプ。
「このゲーム、光ってる! なんかカッコいい!」
それはアイレムの『スペランカー』。
しかし、その高級感あふれる見た目とは裏腹に、テレビ画面の中で待っていたのは「ゲーム史上最弱」と呼ばれる探検家の、あまりにも理不尽な冒険でした。
今回は、そんな虚弱体質な彼を鼓舞するかのように流れる、妙に勇ましい「メインBGM」をご紹介します。
| 基本データ | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | スペランカー |
| 機種 | ファミコン (FC) |
| メーカー | アイレム |
| 曲名 | メインBGM (Main Theme) |
メインBGMを聴いてみよう
まずは、映画音楽のように壮大で、冒険心がかき立てられる名曲をお聴きください。
※出典:[【30分耐久】FC スペランカー メインBGM NES Spelunker]
「赤い光」が放つ高級感と、子供心のワクワク
このゲームを語る上で、まず触れておきたいのが「カセットのLED」です。
当時のアイレムのカセットには、通電を確認するための赤い発光ダイオード(LED)が付いていました。
今の感覚だとなんてことない機能ですが、当時の子供たちにとっては「未来の技術」のように見えました。
- 「このカセットは特別だ」
- 「すごいゲームに違いない」
部屋を暗くして、ファミコン本体の上でぼんやりと赤く光るその姿を見ているだけでワクワクしたものです。
しかし、そのワクワクは、スタートボタンを押した瞬間に「絶望」へと変わります。
勇ましすぎるBGMと、弱すぎる探検家の悲劇
メインBGMは、非常に軽快で勇ましいメロディです。
一説にはフランス映画『冒険者たち』をイメージして作られたとも言われており、聴いているだけで「よし、秘宝を探しに行くぞ!」という気分にさせてくれます。
しかし、現実は非情です。
- 「自分の身長ほどの高さから落ちて死ぬ」
- 「コウモリのフンに当たって死ぬ」
- 「自分で仕掛けた爆弾の爆風で死ぬ」
とにかく、主人公が弱すぎるのです。
BGMのイントロが流れ、「さあ行くぞ!」とロープから飛び降りた瞬間に「ミス音」が流れる。
そしてまたBGMのイントロからやり直し……。
この「壮大な音楽」と「貧弱すぎる主人公」のギャップこそが、スペランカーを伝説のゲームにした要因でしょう。
あまりにもすぐ死ぬため、BGMのサビまで聴けなかったという子供も多かったのではないでしょうか。
「スペランカー体質」という言葉を生んだ伝説
このゲームのインパクトは凄まじく、後に「スペランカー体質」というスラングまで生み出しました。
スポーツ選手などが怪我をしやすいことを「スペる」と言ったりしますが、その語源はもちろんこのゲームです。
また、2000年代には『スペランカー先生』という漫画や、PS3でのリメイク『みんなでスペランカー』などでリバイバルブームも起きました。
「クソゲー」と吐き捨てられるのではなく、「愛すべき死にゲー」としてこれほど長く愛されている作品も珍しいです。
あの勇ましいBGMは、何度死んでもめげずに立ち上がる(そしてまたすぐ死ぬ)、プレイヤーたちの「不屈の魂」のテーマソングなのかもしれません。
まとめ
今回は、アイレムの名作(迷作?)『スペランカー』のメインBGMを紹介しました。
- 赤いLEDが放っていた、謎の高級感と期待
- 映画のような名曲と、すぐ死ぬ主人公のシュールなギャップ
- 「スペ体質」として語り継がれる伝説の虚弱さ
大人になった今、改めて遊んでみると、このシビアな操作性が逆にクセになります。
慎重に、慎重に。ロープを降りるだけで手に汗握る緊張感。
最新のリアルなゲームでは味わえない、ファミコンならではの「死の美学」がそこにはあります。
みなさんは、どの死に方が一番記憶に残っていますか?
私はやっぱり、エレベーターの段差で死んだ時の「えっ?」という虚無感が忘れられません。
