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【初代ゼルダ】『地上BGM』はたった1日で生まれた?ボレロの権利問題が生んだ奇跡と、ディスクシステムの「分厚い音」

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【初代ゼルダ】『地上BGM』はたった1日で生まれた?ボレロの権利問題が生んだ奇跡と、ディスクシステムの「分厚い音」

ファミコン世代のみなさん、こんにちは。
1986年、私たちはまだ幼稚園児か、小学校に上がったばかりでした。
そんな幼い私たちの前に現れた、黄色いプラスチックの板。「ディスクシステム」。

カセットとは違う、あの少し大人びた起動音と、マリオとルイージが追いかけっこをするロード画面。
そして読み込みが終わった瞬間に鳴り響く、あまりにも壮大なファンファーレ。

今回は、アクションRPGの金字塔『ゼルダの伝説』を象徴する「地上BGM」をご紹介します。

実はこの名曲、ある有名なクラシック曲の「著作権切れ待ち」が間に合わず、大急ぎで作られたという伝説があるのをご存知でしたか?

基本データ内容
ゲームタイトルゼルダの伝説
発売年1986年
機種ディスクシステム (FDS)
作曲者近藤浩治
曲名地上BGM (Overworld Theme)
目次

地上BGMを聴いてみよう

まずは、リンクの冒険の始まりを告げる、勇ましくも美しいメロディをお聴きください。

※出典:[作業用BGM ゼルダの伝説 地上BGM 1時間]

実は「ボレロ」になるはずだった?伝説の著作権事件

この曲は、ゲーム音楽史上最も有名な曲の一つですが、その誕生には信じられないような裏話があります。

当初、オープニング曲にはラヴェルの名曲「ボレロ」が使われる予定でした。
開発も終盤、いざ発売という直前になって、とんでもない事実が判明します。

「ボレロの著作権が、まだ切れていない!」

日本では当時、死後50年で著作権が切れるルールでしたが、計算してみるとラヴェルの権利が切れるまで「あと11ヶ月」足りなかったのです。
しかし、発売日は待ってくれません。

そこで、音楽担当の近藤浩治氏は、既に完成していたこの「地上BGM」を急遽アレンジし、徹夜でオープニング曲を作り上げました。
もしボレロの権利が切れていたら、今の「ゼルダのテーマ」は存在しなかったかもしれません。まさにピンチが生んだ奇跡の名曲です。

ディスクシステムだから出せた「分厚い音」の秘密

「ゼルダの曲って、ファミコンにしては音が豪華じゃない?」

子供心にそう感じたことはありませんか?

実はそれ、気のせいではありません。
ディスクシステムには、通常のファミコンにはない「拡張音源(波形メモリ音源)」という機能が搭載されていました。

これにより、ファミコン特有の「ピコピコ音」だけでなく、もっと深みのある、まるでフルートやベースのような「太い音」が出せるようになっていたのです。
後に発売されたカセット版(および海外版)ではこの拡張音源が使えなかったため、音が少しペラペラになっています。
私たちが記憶しているあの重厚な響きは、ディスクシステムだけの特権だったのです。

説明書なしの「放り出された感」と、無限のフィールド

『ゼルダの伝説』といえば、その圧倒的な「放り出された感」も忘れられません。

名前を入力してスタートすると、いきなり荒野のど真ん中。
「どこに行けばいいの?」というチュートリアルもありません。目の前にある洞窟でお爺さんから剣をもらったら、あとは自由。

6歳くらいの私にとって、この自由度は恐怖でもありましたが、同時にとてつもないワクワク感でもありました。
どこまでも広がるフィールドを、この勇ましいBGMだけを頼りに歩き回る。
爆弾で壁に穴を開けた時の「ごまだれ~(謎解き正解音)」の気持ちよさや、迷宮へワープする「笛の音」の不思議な響き。

効果音とBGMがこれほどセットで記憶に残っているゲームも珍しいのではないでしょうか。

まとめ

今回は、初代『ゼルダの伝説』の「地上BGM」を紹介しました。

  • ボレロの権利問題が生んだ、奇跡のオリジナル曲
  • ディスクシステム特有の、重厚で太いサウンド
  • 「放り出される」自由度を支えた、冒険の応援歌

大人になった今、最新作の『ブレス オブ ザ ワイルド』や『ティアーズ オブ ザ キングダム』を遊ぶと、ふとした瞬間にこの曲のフレーズが聴こえてきて、涙が出そうになることがあります。

もしSwitchなどで初代ゼルダを遊ぶ機会があれば、ぜひ「音の太さ」に耳を傾けてみてください。
あの黄色いディスクが回転する音まで思い出せるかもしれません。

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