ファミコン世代のみなさん、こんにちは。
1993年、私たちは中学生になっていました。
世の中はすでにスーパーファミコン全盛期。『ストリートファイターII』や『マリオカート』に夢中だった頃です。
「今さらファミコンなんて……」
誰もがそう思っていた時期に、とんでもない怪物が現れました。
鮮やかなピンク色のカセット、『星のカービィ 夢の泉の物語』です。
今回は、シリーズを象徴する名曲「グリーングリーンズ」と共に、ファミコンの限界を完全に突破していた「音」の秘密をご紹介します。
中1の私が、スーファミではなくあえてこのソフトを選んだ理由は、この「音」にありました。
| 基本データ | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル | 星のカービィ 夢の泉の物語 |
| 発売年 | 1993年 |
| 機種 | ファミコン (FC) |
| 作曲者 | 石川淳 / 安藤浩和 |
| 曲名 | グリーングリーンズ (Green Greens) |
グリーングリーンズを聴いてみよう
まずは、誰もが一度は聴いたことのある、あの軽快でポップなメロディをお聴きください。
※出典:[【星のカービィ 作業用BGM 1時間耐久】グリーングリーンズ 夢の泉の物語 ver.]
実はゲームボーイ版が元祖!シリーズを象徴する「原点」
ファミコン版の音質の凄さを語る前に、この名曲のルーツに少し触れておきましょう。
「グリーングリーンズ」といえばカービィの代名詞ですが、実はこの曲、前年に発売された初代『星のカービィ』(ゲームボーイ版)のステージ1で流れたのが最初です。
作曲を手掛けたのは、現在に至るまでシリーズの音楽を支え続ける石川淳氏**。
白黒画面のゲームボーイから生まれたこの明るく軽快なメロディは、まさに「カービィサウンドの原点」。
それがファミコンというカラーの舞台に移り、音質も豪華になって帰ってきた時の感動は、当時のファンにとって格別なものでした。
スーファミ全盛期にあえて「ファミコン」を買った理由
1993年といえば、ファミコンは引退間近のハードでした。
しかし、テレビCMで流れた「たま」の歌と、画面いっぱいに動き回るカービィの滑らかなアニメーションを見た時、中学生だった私は衝撃を受けました。
「これ、本当にファミコンか?」
お小遣いを握りしめて買いに行くと、そこにあったのは見たこともない「ピンク色のカセット」。
黒や黄色ばかりのファミコンソフトの中で、その色は異彩を放っていました。
そして電源を入れた瞬間に流れる、クリアで奥行きのある音楽。
それは、当時のスーパーファミコンのソフトと比べても遜色のない、驚きのクオリティだったのです。
※出典:[CM 1993 ファミコン 任天堂 星のカービィ 夢の泉の物語 たま]
ファミコンの限界を超えた「ドラム音」と「三角波メロディ」
なぜ『夢の泉』の音楽は、あんなにも音が良かったのでしょうか?
そこには、開発スタッフによる変態的とも言える技術(褒め言葉です)が詰め込まれていました。
- リアルすぎるドラム(DPCM)
ファミコンには「DPCM」という、リアルなサンプリング音を出せる機能がありましたが、容量を食うためあまり使われていませんでした。しかし本作ではこれをフル活用し、「バスッ!タスッ!」という、ファミコンとは思えないほどリアルで重厚なドラム音を鳴らしています。 - 三角波をメロディに使う逆転の発想
通常、ファミコンの音楽は「ビート音(矩形波)」でメロディを奏で、「フルートのような音(三角波)」をベースに使います。しかしカービィではこれを逆にし、三角波でメロディを奏でました。
これにより、電子音特有のキンキンした感じがなくなり、カービィの見た目通りの「丸くて柔らかいサウンド」が生まれたのです。
この「限界突破サウンド」は、今聴いても「職人芸」としか言いようがありません。
初体験の「コピー能力」と、終わらない夢
ゲームボーイ版の初代カービィは「吸って吐くだけ」でしたが、この『夢の泉』で初めて「コピー能力」が登場しました。
吸い込んだ敵の能力を使って、剣を振ったり、ビームを出したり、UFOになったり。
新しい能力を見つけるたびにワクワクして、この「グリーングリーンズ」のリズムに乗ってステージを駆け回るのが本当に楽しかった。
明るくて元気な曲なのに、どこか「夢の中」にいるような不思議な浮遊感があるのもこの曲の魅力です。
大人になった今、スマブラや最新作でこのメロディのアレンジを聴くと、あの中学時代の「ピンクのカセット」の記憶が鮮やかに蘇ります。
まとめ
今回は、ファミコン最末期の名作『星のカービィ 夢の泉の物語』から「グリーングリーンズ」を紹介しました。
- GB版から受け継がれた、石川淳氏によるシリーズの原点
- ピンクのカセットが売り場で放っていた圧倒的な存在感
- DPCMドラムと三角波メロディによる、柔らかくリッチな音
ファミコンというハードが、最後の最後に到達した「夢の到達点」。
もし手元にSwitchなどがあれば、ぜひヘッドホンをして、その「音の良さ」を再確認してみてください。
